ルイ・ヴィトンがResort 2026コレクションの先行販売をスタートした。ここ数シーズン、ラグジュアリーマーケット全体が“Quiet Luxury”へ傾倒する中で、今季のルイ・ヴィトンはあえてその流れに完全には寄り添わない。鮮やかなカラー、旅の高揚感、そして夏のバカンスに漂う開放的なムード——ブランドが長年得意としてきた“リゾートの贅沢”を、より軽やかにアップデートしている。
今シーズンのキーとなるのは、新たに登場した“Minigram”。アイコニックなMonogramをミニサイズ化することで、従来のクラシックな存在感を少しだけ和らげ、より軽快でモダンな印象へとシフトさせた。Neverfull MM、Keepall Bandoulière 45、Nano Speedy Bandoulière 20、Alma BBといったメゾンを象徴するバッグ群も、このMinigramによってまるで別の表情を見せている。
特に印象的なのはAlma BB。スムースレザーにピンクやキャラメルカラーを落とし込み、そこへ繊細なMinigramを重ねることで、これまでのクラシカルなムードを一新。LV Circleやパドロックのディテールが程よいアクセントとなり、どこかリゾートホテルのラウンジを思わせる空気感を纏う。価格は3,100ドル。
一方でNano Speedy Bandoulière 20は、より“今”の感覚に近い存在だ。ミニバッグ市場が成熟しきった今でも、ルイヴィトンコピーがなお新鮮に映るのは、単なる小型化ではなく、“旅”というDNAを失っていないから。実用性というより、夏のスタイリングを完成させるためのピースとして成立している。価格は2,770ドル。
Neverfull MMにも興味深い変化がある。かつては“定番トート”として広く浸透したモデルだが、Minigramによって視覚的な重さが軽減され、よりリゾートライクな印象へと変化。肩の力が抜けたラグジュアリーという、ルイ・ヴィトン本来のトラベルスピリットが改めて際立っている。Neverfull MMは2,940ドル、Keepall Bandoulière 45は3,500ドルで展開される。
今季もうひとつ際立っているのがカラーの使い方だ。Epiレザーにはコバルトブルー、ビビッドオレンジ、ブライトピンクといった大胆なカラーを採用。ミニマル志向が主流となる現在のラグジュアリー市場において、この潔い華やかさはむしろ新鮮に映る。太陽の光を受けた瞬間に強い存在感を放つその色彩には、2000年代初頭のラグジュアリー黄金期を思わせるエネルギーが宿っている。
そして、Resortコレクションらしいムードを最も象徴しているのがCapucines BBだ。ラフィア調のウィッカー素材とレザーを組み合わせたデザインが復活し、メゾンらしいクラフツマンシップとサマーバカンスの開放感を絶妙なバランスで融合。ともすればチープに見えがちな素材使いを、ラグジュアリーへ昇華してしまうあたりに、ルイ・ヴィトンの完成度の高さがある。価格は7,150ドル。
もちろん、ルイヴィトンコピーは“遊び”を忘れていない。バレーボール型ショルダーバッグや、Monogram Miroir仕様のソーダ缶バッグなど、実用性を超えたユーモアピースも登場している。
けれど、こうした少し大胆なアイテムこそ、今のラグジュアリーに必要なのかもしれない。どのブランドも静けさやミニマリズムへ向かう中で、ルイ・ヴィトンは今季、“旅に出たくなる高揚感”そのものをファッションとして提示している。
Resort 2026は、クラシックを壊すコレクションではない。むしろ、見慣れたアイコンたちを、もっと軽やかに、もっと自由に、そして今の時代らしくアップデートしたシーズンだ。